「さっさと東京に去ね!」だった

<西村さんの提案で方言になったせりふもある。第1週では、東京から高知に引っ越してきた嵩が、のぶから「しゃんしゃん東京に去ね!」と言われる。このせりふはもともとは「さっさと東京に帰れ」だった>

「さっさと東京に帰れ」だと意味が分かりすぎてしまう。「しゃんしゃん東京に去ね」って、高知県人以外が聞いたら何を言ってるのかわからないと思うんです。僕が幼いころに東京から高知に引っ越してきた人は、いつもまわりの土佐弁がわからず、きょとんとしていた。がっつりと方言にすると、嵩も言っている意味がわからなくてきょとんとできる。それが芝居にも生かせると考えました。その後も「しゃんしゃん東京に去ね」は面白い感じで使われています。

<海軍士官となった千尋が小倉にいる嵩に会いに来て、本音を吐露するシーンでは、標準語でしゃべっていた千尋は途中から土佐弁になった>

千尋は海軍に行っているので、軍では標準語を覚えさせられます。嵩も標準語ですから、最初は千尋も標準語という作りになりました。ただ、感情が高まると方言が出る。千尋の感情のスイッチが入る瞬間は、監督とも一緒に話をして探らせていただきました。