(『あさイチ』/(c)NHK)
放送16年目を迎えたNHKの生活情報番組『あさイチ』(NHK総合、月~金午前8時15分~)。番組名物ともいえるのが、冒頭、MCの博多華丸・大吉の2人と鈴木奈穂子アナウンサーが朝ドラの感想を語り合う通称「朝ドラ受け」だ。朝ドラや大河の出演者は、あさイチにゲストとして登場することも多い。制作統括の上松圭さんと、鈴木奈穂子アナウンサーに人気コーナーの裏側を聞いてみた。(取材・文:婦人公論jp編集部)

実は放送3回目から

今や「朝ドラ受け」はMC3人のやり取りがメディアで報じられるほどの人気コンテンツだ。あさイチがスタートしたのは、2010年の3月29日。あさイチ立ち上げ当時から関わり、現在制作統括を務める上松圭さんによると、朝ドラ受けが始まったのは、あさイチの第3回放送となった2010年4月1日だという。この時のMCは井ノ原快彦さんと有働由美子さん、当時NHK解説委員だった柳澤秀夫さん。漫画家・水木しげるの妻をモデルに松下奈緒さんがヒロインをつとめた『ゲゲゲの女房』について語った。

上松さんは「朝ドラ受けは、自然発生的に生まれました。井ノ原さんが朝ドラの最後のシーンを受けて話すようになったのが始まりだったようです。最初は『びっくりしましたね』とか本当に一言くらいでした」と振り返る。

毎日朝ドラ受けがあったわけではない。週に1、2回のこともあれば、3、4回のこともあり、細々と続いてきた。当初は、朝ドラ受けに違和感を覚える人の声も届いていたが、楽しみにしている人のほうが多かったという。

朝ドラを見た人が、そのまま『あさイチ』を見るケースが多いようだ。上松さんは「井ノ原さんはよく、『1人で観ているおばあちゃんにもみんなで観ているような気分になってほしい』とおっしゃっていました。その意図は、今も変わりません。ドラマで感じたうれしい気持ちや悲しい気持ち、もやもや感までも共有し、『一緒に朝ドラを見ている』という感覚になってもらいたいと考えています」