『直虎』から8年経って
森下さんとは、『おんな城主 直虎』から8年ぶりにご一緒させていただいた大河ドラマ作品になります。
『直虎』では井伊家家臣・中野直之を演じたんですが、あの時は相手の台詞まで解釈して演技をする、といった段階ではなく、自分の役を演じるだけで精いっぱい。その分、能動的というか。
でも今回は完全に受動的で、人の台詞をしっかりと聞く場面が多かった。その点だけでも、求められたものは大きく違う気がします。
そして直虎の時はまだ26歳で、そもそも“矢本悠馬”という存在があまり知られていませんでした。
その意味では、8年経って出演作も増えて。
渡辺謙さんは「出演作品、結構見てるよ。一度共演してみたかったんだよ」「氷魚君も絶対見たほうが良いよ!」とか言ってくれて、すごく照れました。
桐谷健太さんも、初めての共演だったのに、めちゃくちゃ積極的に声をかけてくれて。撮影日は少なかったんですけど、みんな温かく迎えてくれました。
でも…僕としては佐野政言という役柄的に“アウェイ”を感じたかったんです(笑)!
だから、皆さんとお話をしたくても、あえてしゃべらず、心を閉ざすようにしていました。そして実際に人とあまりしゃべらないまま撮影を終えてしまいました。