ケアマネの3割超が60歳以上
さらに、ケアマネの年齢構成についても問題が浮き彫りになっている。2022年度のデータによると、60歳以上のケアマネの割合が増加しており、逆に45歳未満の従事者の割合は減少している。60歳以上のケアマネジャーは全体の約33.5%を占めており、今後の定年退職によりさらなる人材不足が懸念される。これに対し、若年層の参入が不足しているため、介護現場における人手不足の問題はますます深刻化することが予想されるのだ。
こうしたケアマネ不足の問題に対応するため、厚労省ではいくつかの対策を検討している。例えば、受験対象となる指定の国家資格の範囲を広げることで、より多くの人材がケアマネの資格を取得しやすくすることだ。また、保健・医療・福祉分野で一定の教育を受けた者がケアマネとして活動できるようにするための養成ルートの確立も検討されている。これにより、若年層を中心に新たな人材を取り込むことが期待されている。
さらに、潜在ケアマネの職場復帰を促進するための取り組みも行われている。具体的には、自治体が離職したケアマネに対して復職を提案することや、職能団体と協力して再研修の案内を行うことである。この再研修にはオンラインでの参加が可能な形式を取り入れ、復職を希望する人が気軽に参加できるよう配慮されている。
また、復職後に受講する研修内容の緩和も提案されており、こうしたことにより離職した人が戻りやすい環境を整えることが目指されている。
その一方で、シニア層のケアマネが長く働き続けることができる環境の整備も重要な対策として挙げられている。ケアマネの業務は体力的な負担が大きく、年齢を重ねるごとにその負担が増すため、働き方の柔軟化や延長雇用の導入が必要だ。シニア層のケアマネが無理なく働けるように、業務時間の短縮や勤務日数の調整を行うことで、地域に根付いて長く活躍できる職場環境をつくることが求められている。