平均給与額は36万円
ケアマネの離職防止策として、待遇改善も不可欠だ。例えば、厚労省の「令和4年度 介護従事者処遇状況等調査結果」によると、ケアマネの平均給与額(常勤者)は2022年9月時点で36万1770円。これは各種手当も含んだ金額で、彼らの専門性の高さや、業務量などを考慮すれば、決して恵まれた金額とはいえないだろう。
ケアマネの離職の要因として「賃金・処遇面」が大きな割合を占めていることもあり、労働条件を改善することで離職を防ぐことが期待されている。とくに、賃金の引き上げやキャリアパスの整備を行うことで、ケアマネが安心して働き続けられる環境をつくることが重要である。
厚労省では、「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」を2024年4月から開始し、高齢者介護の現場で直面する課題に対処するための議論が進められてきた。検討会では、ケアマネの業務内容や主任ケアマネの役割、地域包括ケアの課題などが取り上げられ、その目的は効果的なケアマネジメントを通じて介護サービスの質を向上させることである。
しかし、検討会の議論を通じて浮き彫りになった根本的な問題は、先に述べたように深刻なケアマネの不足だ。