50歳を過ぎて新たな展開も

ラッキーなことに50歳を過ぎて新たな展開も。ゴルフ番組や古典芸能の番組が舞い込んできたり、ポッドキャストで恋愛系のお悩み相談番組をやったり、愛犬パコ美を題材にした四コマ漫画の連載をスタートさせたり。

あと相方の光浦さんがカナダに留学したり。もともと、そこまでコンビの仕事が多かったわけではないので、表面上はあまり変わらない。ただ、一番身近で、バラエティ番組に人生を注いできたような人が、芸能界から一旦離れたことは、少なからず思うところはある。

大久保佳代子
(写真提供:マガジンハウス)

50代、まだまだ頭も身体も動く。何か新たに始めることができるけれど、年齢的に考えるとラストチャンスとも。可能性があるからこそ、もろもろ決断を迫られるお年頃なんだと思う。兎にも角にも、ストレスが付きまとい過ぎる仕事は避けていきたい。自分に優しく、自分だけでも自分を認めてあげつつ。

私は、まだしばらくは、この業界にしがみついていくと思う。「仕事をする上でのモチベーションは?」と聞かれることがある。正直、ケチなのもあり結構貯めこんでいるから、もはやお金のためというのは違う。「MCの番組をやりたい」などの目標もない。「もっと認められたい」という承認欲求も薄くなった。モテたいは多少あるが、仕事が増えることと正比例しないからモチベーションにはならない。

最近は、シンプルに世の中の人が、私を見て嫌な事を忘れられたり、笑ってくれたらいいなと思うように。「このおばさん、いい年こいてバカなことやってるな」と。そういう純粋な意識にやっと少しだけなれた。