アイガモロボの特長
特長は水面に浮かべて航行させるフロート式であることです。スクリューを回転させて進むことで水を濁らせつつ、雑草の種を埋没させ、アイガモと同じ効果を生み出します。
「まず水田の均平を整えたうえで田植えをし、最低5センチの水位を保った状態でロボを浮かべます。そして、専用のアプリで圃場の形を指定すれば、一定の間隔を保ち、網の目状に自動で走行します。使用可能な期間は、中干し前までの約3週間です」と、開発者の株式会社NEWGREEN(東京都小金井市)副社長の中村哲也さんは説明します。
かつてはクローラーで条間を走るタイプの自動抑草ロボットが注目されていましたが、ぬかるんだ地面を走るのに、多くのエネルギーを消費するという欠点がありました。
「その点、フロート式は受ける抵抗が少ないという利点があります。アイガモロボは上部にソーラーパネルを設置しており、太陽光エネルギーだけで、1日約10時間、稼動します」(中村さん)
また、スクリューが稲を傷つけにくいような設計になっており、稲の上を航行するため、株間の雑草もしっかり抑えられます。
30~70アール規模の水田で使うことが推奨されていますが、農研機構などと行った実証実験では、最大1.25ヘクタールの広さでも効果は確認できたそうです。また、導入しない場合と比べて平均収量が1割増え、機械除草の回数が58%減少したことも判明しています。