「現代ドラマにも」

池松さん演じる宇治田洋一は、産業組合中央金庫(現・農林中金)調査課長。模擬内閣では「内閣総理大臣」に指名される。軍への反感からシミュレーションに消極的だったが、厳しい現実を知り「開戦を避けるべき」と動き出す。

池松壮亮さん(『シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~』/(c)NHK)

会見で池松さんは「戦後80年と言う特別なこの時代、この年に、戦争を語り続けてきたNHKでこの作品を発表できることを光栄に思っています。個人的にはこの時代にどうしても語るべきドラマ、これからの時代に残すべきドラマとして仕上がったと自信を持っています」とあいさつ。

さらに、作品について「組織における意思決定の曖昧さ、時の空気や勢いの恐ろしさを描いていて、戦争ドラマでありながら、現代ドラマにもなっています。見どころは、平均年齢33歳の若者たちがある日、国家機密のもとに集められ、そこで事実に出会い、事実に驚がくし、事実に畏怖し、葛藤をしながらどのように答えを出していくのか。そして、どう敗北をするのか。

また、世代間の話でもあるので上の権力者たちがどう受けとめて答えを出すのか、そういったところを見ていただきたいです。戦後80年にみんなで心を込めて作りました。この物語に込めた願いがみなさんに届いてくれたら、うれしく思います」と語った。