<あらすじ>

昭和16年4月。平均年齢33才の、多くの若きトップエリートたちが緊急招集された。軍人・官僚・民間企業から選抜された彼らは、将来の日本のリーダーとなるべき人材を養成する目的で新設された総理大臣の直轄機関「総力戦研究所」に参加することになったのだ。

その目的は、軍事・外交・経済などの各種データを基に、日米が開戦した場合の戦局を正確に予測し、そのシミュレーション結果を近衛文麿首相、東條英機陸相をはじめとする《本物の内閣》の面々を前に報告することだった。

当初、国や軍部の真意が分からず戸惑う宇治田らエリートたち。もしシミュレーションの結果が上層部の意に沿わないものだった場合、自分たちの身にも害が及ぶのではないか…。

(『シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~』/(c)NHK)

洋一や仲間たちはそれぞれが家族を抱える中、緊張にさらされ続ける。それでも、通常は国家機密である日本の国力を測るためのさまざまなデータにアクセスを許されるなど、宇治田たちはある種の興奮の中で、日米戦開戦後の戦局を占っていく。

侃々諤々の議論の末に《模擬内閣》の若き閣僚たちが導き出した最終結論は、「もしアメリカと戦えば、日本は必ず負ける」というあまりにも厳しい未来予測だった。

エリートたちの理性は告げる。「この戦争は止めなければならない」と。

シミュレーション結果を《本物の内閣》に報告する日が来た。《模擬内閣》の若者たちは、勇気を振り絞ってシミュレーションが導き出した<現実>を国の指導者たちに伝えようとする。

果たして、東條英機らの反応は。そしてその後、宇治田たちが目の当たりにする“残酷な結末”とは――。

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NHKスペシャル「シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~」

【放送予定】
前編 総合 2025年8月16日(土)夜9時~9時59分
後編 総合 2025年8月17日(日)夜9時~9時59分 

【脚本・編集・演出】石井裕也
【原案】 猪瀬直樹 「昭和16年夏の敗戦」(中央公論新社刊)
【音楽】 岩代太郎
【題字】 赤松陽構造
【出演】 池松壮亮  仲野太賀 岩田剛典 中村蒼 三浦貴大 二階堂ふみ 杉田雷麟 別所哲也 北村有起哉 中野英雄 松田龍平 奥田瑛二 / 國村隼 / 佐藤隆太 江口洋介 佐藤浩市
【制作統括】 新延明(NHK)、家冨未央(NHKエンタープライズ)、布川均(ポニーキャニオン)、橋本櫻(東京テアトル)、永井拓郎(RIKIプロジェクト)
【制作】 NHK、NHKエンタープライズ、RIKIプロジェクト

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