デビュー前の自分と照らし合わせて

たくやは初登場時は18歳で学ラン姿です。学ランを着たことがなかったので新鮮だったし、若々しくフレッシュに演じることを意識しました。

自分は18歳でデビューしたのですが、プロとして土俵に上がる前の自分と照らし合わせながら、何にフラストレーションを感じて、何に希望を見出して表現の道に進んだのか、たくやとの共通項を探ったんです。

(『あんぱん』/(c)NHK)

匠海くんから「今までにないテンポ感で非常にやりやすい」と言っていただいたことが、自分のなかでのひとつの指針になっています。点数をつけるとしたら80点前後でしょうか。まだ演技の基準値が自分の中にないので、わからないです。

『僕たちがやりました』(フジテレビ系、2017年)というドラマのオープニングをミセスが、匠海くんたちのバンド「DISH//」がエンディングを担当していたので、その当時から匠海くんとは親交がありました。『あんぱん』のリハーサルで久々にお会いできました。彼は役者さんとして第一線でやられている方なので、刺激があります。

匠海くんとは、心に抱えているネガティブな気持ちの出し方がすごく似ていると感じていました。ポジティブってネガティブからくるものだと思っていて。明るさがあるから暗さがある。自由があれば不自由さがあるみたいに表裏一体。自分のネガティブな部分は歌詞を書く上ですごく大切にしています。繊細なところをキャッチしてそれをアウトプットして昇華させる。

勝手な解釈ですが、匠海くんも、人の繊細さやいろいろなものに対する憤りをどう表現しようか考えて、自分のなかで正しく落とし込んで成仏させているように見える。前室では匠海くんと、「お互い頑張っているよねえ」と慰め合っています。