「考える」事をしなくなっている
編集部:相手の気持ちを考えたら、そうなりますよね。
所:近頃は、なんかみんな、『考える』事をしなくなっちゃってるよね。しかも、考えなくてもいいですよ! っていう便利なものがどんどん進んでいってるのもどうかと思うよ。例えば、自動で運転するクルマですよって、考えたらおかしいじゃない。自分の行きたいところに、自分の力で運転していくっていう人間の基本的な意思や能力を失わせるでしょ。それはダメだよね。単なる未来ごっこで、技術の進化でもなんでもないと思う。
世間的に、今までは山を切り崩して、コンクリート貼って開発してきたけどさ。これからは緑を大事にして行こうって、折り返してるじゃない。クルマだって、もうすぐ折返しの時期がくるよ。でも、それが電気自動車で良いのか? って考えると、違うよね。電気自動車のバッテリーって、再利用するには高度な技術とお金がかかるんで、大量のバッテリーをどう処理していくかって、日本ですら未だにちゃんと解決できてない。電気自動車だけバンバン作って、世界中に普及させてみなよ、発展途上国だったら、バッテリーを捨てるしかないんだよ。環境にちっとも優しくないじゃん。
あとね、そもそも電気自動車って、電気で動くんだよ、電気を作るには、発電所がいるの。でも、日本は、石炭の発電所減らします、原発も減らします、って言ってる。つまり、発電はだめって事。何がしたいの? ってさ(笑)。クリーンエネルギーでなんとかって言うけど、太陽光発電に使うシリコンとかシステムって、めちゃめちゃ電気を使って作るのよ。そのシステム自体が発電する量より、作る方が電気かかっちゃうっていうね。山奥で使うのには便利なんだけどさ。
クルマやめて、自転車で動きましょうって、自転車だって、タイヤのゴム作ったり鉄のパイプ曲げるのに、電気使うの! テレビで「これからは、やっぱりクリーンエネルギーですよね」なんて言ってる人がいるけど、シャワー浴びて、メイク塗ったくって、ドライヤーかけて、スプレーかけて、それ全部電気使ってるじゃん(笑)。