今田美桜さんがヒロインを務める連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合/毎週月曜~土曜8時ほか)。子どもたちの人気者・アンパンマンを生み出したやなせたかしさんと、妻・暢さんの夫婦をモデルとした物語です。<朝田のぶ>を今田さん、<柳井嵩>を北村匠海さんが演じています。嵩の芸術学校時代からの友人で、NHKのディレクター、辛島健太郎を演じるのが、高橋文哉さんです。のぶの妹・メイコ(原菜乃華)は、健太郎への片思いを実らせ結婚しました。なかなか進展しないメイコと健太郎の恋に視聴者はヤキモキさせられてきました。健太郎役に込めた思いを高橋さんに伺いました。(取材・文:婦人公論.jp編集部)
恋心の芽生えは…
<健太郎と嵩は東京の芸術学校の入試会場で出会った。補欠合格した健太郎は入学後に図案科の教室で嵩と再会する。メイコとの出会いは第7週。芸術学校に通っていた健太郎が嵩の帰省に強引に同行し、高知を訪れた時だ。メイコが健太郎に思いを寄せるようになるが、健太郎はメイコを「(漫画のキャラクターの)のらくろに似ている」と可愛がってきたが…>
第8週くらいから、「健太郎はいつメイコと向き合うのだろう」と思いながら演じてきました。でも、健太郎がメイコを意識するような演技をすると、どんどんあざとくなってしまう。健太郎を演じる時には、あざとくならないようにしようとかなり初期の段階で決めていたので、「メイコは大切な人」でそれ以上でも以下でもないくらいの感覚でいました。
家族でも友達でもなく心に居続ける、何かあったときにふっと思い出すような、寂しくなった時に会いたくなる人。健太郎にとってメイコはそんな存在です。

(『あんぱん』/(c)NHK)
健太郎のメイコへの恋心がいつ芽生えたのかというと、これには正解が多分ないんです。僕の中ではこの場面でこう気持ちが動いて、と自分なりに芝居を構成してきました。「ここ!」というタイミングは視聴者のみなさんで想像していただければと思います。