疲労回復パジャマか自作の麻の寝具か
続いて試したのが、「シックスパッド リカバリーウェア スリープ(パジャマ)」(上下セット2万4552円)という疲労回復パジャマだ。知人から「新感覚の素材で話題になっている」と聞き、「ちょっとだけ使わせて」とお願いした。
なんでも「天然鉱石を原料とした高純度セラミックを練り込んだ特殊繊維が、身体から放出される遠赤外線(体温)を輻射することで血行を促進する」のだそう。なるほど、パジャマを手にしただけでしっとりとして持ち重りがする。
しかしこの10年、洋服でもこんな高価なものは買っていない。私のような貧乏性女が、これでリラックスして疲労回復できたりするのだろうか。袖を通すだけで緊張する。む、む。なんですか、このしとっとした、ひんやり感は。
私の知ってるリラックスは、布が体にまとわりつかないダボシャツ&ステテコ式だけど、それとはまったく異次元、異感覚。布地が皮膚から体の奥深くへ静かに働きかけているみたいだ。
このパジャマの効果は日を追うごとに表れた。説明するのが難しいが、早い話、だるい、頭が痛いなどの不調を感じなくなったのだ。眠りの質が良くなったかどうか確信は持てないが、威力を知ったのは、1週間使って、「こんな高価なものは落ち着かないわ」と知人に返したあとのこと。
その経緯は後述するとして、ここで私が50代からとり入れている安眠グッズを紹介しよう。世界の一流ホテルのリネンは綿ではなくて麻と聞き、日暮里の生地問屋街で安い麻の布地を手に入れたのだ。市販のシーツなら5000円以上するが、布地だけなら2メートル半で2000円ちょっと。
この端を三つ折りにしてジャーッと縫ってシーツに仕立て、そこに身を投げ出した時のひんやり感といったらない。体の熱がスッと消えて、あっという間に眠りに落ちるのだ。皆さんも試してほしい。