同居はお断り

羽多子が「あんたは自分の都合で嵩さんの気持ちを踏みにじってきたがやろ」と怒る。

『やさしいライオン』はライオンのブルブルと育ての親の犬・ムクムクの物語だけに、「嵩さんがあんなに美しい話をあんたのために描いたがのに、ぶち壊すようなことばっかり言って。あんたはムクムクじゃなくてムカムカじゃ」というと、登美子は「よくもそこまでおっしゃったわね」と言い返す。

そこにのぶが「そこまで!」と入ると、羽多子と登美子からは笑い合って―。

のぶが登美子に同居を提案し、茶室を作ったのもそのためだと伝える。「お一人暮らしも何かと不便やと思います」と誘うのぶ。

しかし、登美子は、「お断りします。こんなに狭くて低い天井のマンションにこの私が住めると思う?嵩が手嶌治虫先生みたいに有名になって庭付きの豪邸でも建ててくれるなら考えてもいいけど、無理よねえ。もう漫画家なんかやめちゃいなさい」と話し、「じゃあ、ごきげんよう」と去っていって――。