「よっ、お嬢さん、今からAKBに入れますよ」(ペーさん)

 

ペー まあみんなそうなのかな。このあいだ昔なじみのラーメン屋に入ったら、そこのおかみさんが「お客さんに『ここに来たこと、奥さんには内緒にしといて』と頼まれることがある」と言ってましたから(笑)。あなたは運動についても、「毎日体操しないと駄目」って怒るよね。

パー子 私はスクワットと筋トレを毎日3分、欠かさずやっています。身体も柔らかいんですよ。(足を頭の高さまで上げて)

ペー よっ、お嬢さん、今からAKBに入れますよ(笑)。僕は自分の哲学として、とにかく歩く。たとえば浅草演芸ホールで出番があると、鶯谷からバスに乗るんです。でもこれが1時間に3本しかない。1本逃して20分待つなら、僕は20分かけて歩いちゃう。

パー子 いろいろ気をつけていることはあるけど、無理をしないっていうのは、私たちに共通したモットー。

ペー ふたりで仕事をするようになって、かれこれ半世紀以上。それほど大ブレイクすることもなく(笑)、かといって「あの人は今」みたいに消えちゃうこともなく。ずーっとこの世界の末席を汚してこられたのは嬉しいことだよね。

パー子 ぱっと出てきて1年で消えちゃう人も多い世界で、私たちはマイペースで細くながーく。

 

贅沢しない、仕事も泊まりは×

ペー 僕らは芸能事務所にいっぺんも所属したことがなくて、マネージャーも自分たちで雇っているし、スケジュール管理もぜんぶ自分たち。珍しいと驚かれるけれど、師匠の三平もおかみさんと二人三脚でやっていたことなので。

パー子 ですからAKBみたいにいろんな仕事で、あっちこっち行かされて忙しくなったりしないの。

ペー これも業界の七不思議って言われるのだけど(笑)、林家ペー・パー子としては30年間、いっぺんも泊まりの仕事をしたことがありません。全国どこでも、すべて日帰り。夜まで仕事があっても、最終の飛行機や新幹線でギリギリ帰って来られる仕事しか受けないんです。これも奥さんのポリシー。

パー子 だから北陸新幹線が開通して、金沢でもお仕事できるようになったのは嬉しかった。基本的に、お家が大好きなんです。やらなきゃいけないこともいっぱいありますし。

ペー これだけ芸能界に長くいるのに、この人は仕事が好きじゃないんだなあ。(苦笑)