「葬儀業者さんから今どきの事情を聞いたり、ネット検索をしたりしていると、ペットと一緒に入れる場所を見つけたんです。霊園やお寺のお墓、樹木葬のところも。いくつも選択肢があるということは、私と同じ気持ちの人がほかにもいるんだなって、ちょっと安心しました」
先祖代々の墓を継承することが難しくなった現代、墓のバリエーションも増えている。
「夫は私が別のお墓を探していることに対して、『死んでまで一緒にいる必要はないでしょ。そのぶん、生きている間は仲よくしよう』と言ってくれて。自由な考え方をする人だと再認識できてうれしかったです」
サヤカさんの《お墓探し騒動》は現在進行形だが、夫婦で話ができたことは収穫だったという。
「どちらか先に逝ったら、残ったほうが責任を持って、当人の希望するお墓に納骨すると決めました。残された側は困らないように事前契約すればいいと思い至り、遅ればせながら夫婦で終活を始めています(笑)」
いつかはやってくる別れのときを悔いなく迎えるために、今という時間を大切にしよう。サヤカさんの墓探しは、夫婦に、そんな覚悟をもたらした出来事だったようだ。
【ルポ】終活に取り組んだら、今が輝き出した
(1)「遺影撮影会」~マナミさん(66歳)の場合
(2)「ペット共葬墓」~サヤカさん(65歳)の場合
(3)「死ぬまでにやりたいことリスト」~ユリエさん(50歳)の場合