元会員で、和光大学で日本初の女性学講座を開講した井上輝子さん(77歳)は、「若い方たちのお話を伺って、会報をていねいに読んでくださったことと、内容に共感していただいたのはありがたいなと思いました。今の運動――#Me Tooなどいろいろありますが――みなさんが今かかわってらっしゃる運動と、70年代のウーマン・リブの運動は、ずいぶんと共通する部分が多いなと思いました」と感想を述べました。
次に話したのは奥山妙子さん(62歳)。さまざまな職に就き、和光大学で井上さんの女性学の講座を聴講、婦問懇にも参加した後、杉並区議会議員となっています。奥山さんは「若い人が婦問懇会報を読み、喜んでくださってとっても嬉しいです。私はフェミニストと自称するのはまだ憚られる空気があると思っていました。それでも最近は自らフェミニストを名乗る人が出てきた。心理面で若者と通底するものがあったことは、嬉しい。まだ女性をとりまく問題が解決していないという意味でもありますが――」と話しました。
そして上野さんが、「(区議会議員の)奥山さんでさえフェミニストを名乗るのをためらうような時代が続きました。私たち第二波フェミニズムの最初の世代がふとふり返ると誰もついてきていなかった。世代間に断絶があるのでしょうか」と若い世代の話者に問いかけます。
東京新聞記者の望月さんは、「自身の夫やそれより下の世代の男性たちを見ていても、子育てや家事は女のものだという概念から、男も教育や家事に関わっていきたいんだという価値観に変わってきた。婦問懇のみなさんが、女性としての悩みを話し合い、均等なあり方を模索してきた結果、今は『女だから』『男だから』という枠組みに縛られる必要はないと言えるようになってきた」と、熱弁をふるいます。