「ここは俺しか」

<コロナ禍の閉塞した状況で、上島さんが急逝。肥後さんとジモンさんはコメントを発表した。肥後さんのコメントは「何をやっても笑いを取る天才芸人上島が最後に誰も1ミリも笑えない、しくじりをしました。でも、それが上島の芸風です。皆で突っ込んで下さい」という芸人・上島竜兵に寄り添ったあたたかなもの。さらに「ダチョウ倶楽部は解散しません。二人で、純烈のオーディションを受けます」というくだりも注目を集めた>

上島さんが亡くなったとき、ワイドショーの司会をしている人たちが、ほとんど友達だったんです。『スッキリ』の加藤浩次、『サンデージャポン』の爆笑問題、『ひるおび』の恵俊彰…。ほぼ同期というか戦友たち。その人たちが上島さんのニュースを取り上げるときに本当につらそうだった。上島さんとの距離も近かったから報じる方もつらい。コメンテーターの方もあたたかい言葉を送ってくださるものの、日本中が「うぅっ」って息苦しくなっているように感じたんです。「早くみんなを助けなくちゃ。ここは俺にしかできないなあ」「みんながふっと息をつけるようになったらいいな」と思っていたんです。

ダチョウ倶楽部の肥後克広さん
ダチョウ倶楽部の肥後克広さん

一生懸命考えましたよ。事務所が出すような定型のコメントにはならないように、でもユーモアのアクセルを踏み込みすぎないように。いろんなことを調整しながら一晩で書き上げました。娘に「これ大丈夫?」と聞いてチェックしてもらいました。

言い方や言葉ばかり気にしていたので、「純烈」というワードを出したことの重大さには気づきませんでした。だから、コメントを出した後に「救われました」とか「よかった」とか言われたのですが、一方で「純烈に入るんですか?」という問い合わせもきました。事前に純烈側にお名前を出すことをお伝えしていなかったので、申し訳なかったです。

その後、純烈とダチョウ倶楽部でお仕事をすることになって、純烈さんには助けていただきました。