八雲の名前の由来に

そうなのだ。八雲は日本国籍取得に際し、松江に住んだことにちなみ、出雲国の枕詞にあたる「八雲たつ」の八雲を名前にしたという。

ここを訪れた時には、まさか自分の名前の由来になるとは思いもしなかっただろう。しかしこの歌は、セツを大切に思う八雲の気持ちを代弁しているような気がするのは、考えすぎだろうか。

『八雲とセツを追いかけて-神様と妖怪に出会う旅-松江・境港・出雲』(著:譽田亜紀子/中央公論新社)

ともあれ、八雲とセツをはじめ、多くの恋する人の気持ちを受け止め、願いを聞き届けてくれる八重垣神社で、特に有名なのが「鏡の池」での縁占いである。

(写真提供:Photo AC)

境内の左を奥に進むと、鬱蒼とした「佐久佐女の森」がある。そこには稲田姫命をお祀りした「天鏡神社」があり、その前に稲田姫命が姿を映したという鏡の池があった。八岐大蛇から姫が身を隠した場所ともされる。その池の占い目当てに国内外から多くの人が訪れるのである。