神と人との関係が今も残されている
徐々にオレンジの光が強く輝き出し、空が青からグレーへとグラデーションを帯びていく。と、夕日は稲佐の浜に突き刺さるように、海の上にまっすぐ延びたオレンジ色の光の道を作り出していた。
その道を歩いて行けば、神々の国に行けるのではないか。そんなことを思わせるほど、神々しい光で浜一帯が包まれていく。
夕日を眺めながら、ここには神さまがおわすのだと改めて思った。神話があるからそう思うのではない。多くの神社があるからそう思うのでもない。この地に暮らす人々が、自分たちを取り巻く自然環境、つまり山や川、海や太陽や夕日、風のざわめきや光の煌めきに見えない存在、神性を感じ、そこに畏敬の念を抱きながら、今も暮らしていることが伝わるからである。
それは人が暮らし始めた時から変わらない、神と人との関係なのではないだろうか。現代的な生活の中で失われてしまった、見えない世界に対する関係が、この出雲の地には残されている。