能力の設定は…
第1話では、無職の文太が就職試験を受け、最終面接で兆に勧められて薬を飲む。普通の状態の人なら断りますよね。勧められたからと言ってカプセルを飲まない。だから追い込まれている、脛に傷がある人物にしました。雇われエスパーにしたのは、大泉さんが会社員というのもおもしろいと思ったからです。1人だけエスパーにするよりもチームものにしたいよね、と貴島さんと話してエスパーの仲間をつくりました。
<カプセルを飲んだ人はそれぞれに能力を発現させる。文太は手で触れた相手の心が読める。仲間のエスパーの能力は、念じるとほんのりあったくなるレンチン系、なでまわすと花が咲く花咲か系、動物と話して命令ではなくお願いならばできるアニマルお願い系など派手な能力ではない>
エスパーの能力は、貴島さんと一緒に考えました。「レンチンはどうですか?」「レンチンは電磁波だから実は強い。200ワットくらいにしとくか」など、ちょっとずつ能力をダウンさせました。
大泉さん以外の俳優さんも、出てもらいたい俳優さんをイメージしながら、能力やキャラクターを考えていきました。役名はいつも自分で考えるのですが、今回は貴島さんが考えたいと言うので、7人の主要キャストのうち、岡田将生さん演じる兆以外は、貴島さんが考えた名前をそのまま採用しています。本名とは思えない名前もあったので、その名前に合わせて人物設定を考えたキャラクターもいます。
<文太の妻、四季を演じているのは宮崎あおいさんだ。夫が目の前で悲惨な死に方をしたことで、心が不安定になり、記憶喪失になっているという。同居している文太を夫と思い込んでいるが――>
四季はなかなか捉えどころがない人物ですが、宮崎さんは非常にいい按配で演じてくださっています。いちばん突飛な設定を背負っている難しい役なのに、日常に落とし込んだ自然な演技ができるのがすごいなと、毎回映像が上がってくるたびに感じています。そしてたまらなく可愛い。