年齢とともに感じる身体感覚の大切さ
演じるうえで大事にしていることは、「生き生きと」です。棒読みというのは、きっと生きている人の言葉ではないんだろうな。
そうではなく、ちゃんとそこで「あっ、この人、生きてるね」と思ってもらえる芝居がしたい。ただ息をしているだけで画面が持つようになれば、それが一番いいんでしょうね。
僕はどちらかというと、役を頭で考えて、全部を作ろうとしていたところがありました。でも最近は、わからないところは空白として残したまま現場に入ることが増えてきたような感じがします。
とりあえず自分なりの答えは用意しておきますが、それにこだわらず、現場で違う答えがあったら切り替えていく。歳を重ねると、そういうふうに、柔軟に楽しめるようになってきました。やはり一人ではなく、現場のみんなで考えていくのがいいんじゃないかな、と思っています。