それと、年齢とともに感じるのは、身体感覚の大切さ。役者としての無意識の領域も含めて、自分の身体の声をちゃんと聞こう、と。
たとえば虫の知らせというか、なんとなく「イヤだな」と感じたことを見逃さないとか、食べたいと感じたものを食べようとか、そういった五感を大事にしています。
ロケで「今日は暑すぎるから動けません」とか、言えればいいんですけど(笑)。でも、「今は10%出力をダウンして、次に備えよう」ということならできる。そういうことも心がけています。
オンとオフの切り替えは、とくにないかなぁ。ずっとオン。とはいえ、そんなにたいしたオンではないので(笑)。穏やかな通電、という感じですね。
子どもが生まれてからは、細切れの時間の使い方を大事にするようになりました。10分とか15分の短い時間も無駄にならないよう、台本をもらうと台詞を全部スマホに入れて、ちょっとした時間でチェックしたり。案外、それが功を奏しているというか――。
「この15分でこれをやろう」と目標を決めて、それができたら「よかった、このシーンを1つさらえた」みたいな感じで、自分にちっちゃなマルをあげて褒める。その積み重ねで、膨大な台詞も身体に入っていくんですね。
堺雅人さん主演の映画『平場の月』は11月14日より全国東宝系にて公開中
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