足を調べれば血管の狭窄や閉塞、動脈硬化の程度もわかる

近年、増えてきた足の疾患センターや、フットケア外来といった足の病気を診る専門科やクリニックでは、足にトラブルがあって自分で爪を切ることができない患者さんに対するケアを行っていて、その際に原因疾患を見つけてくれるケースがあります。ですから、足に異変がある場合は、足の専門科やクリニックを受診するのもおすすめです。

また、日頃からの足の観察に加え、体への負担が少ない低侵襲な足の検査を受ければ、全身の血管の状態から心臓にトラブルがないかどうかまで、かなり高いレベルで推測できます。

天野篤
天野篤先生「まずは日頃から足の観察を意識して心がけることが大切で、それが心臓病の早期発見につながります」(写真提供:講談社ビーシー)

最近は「指尖脈波(しせんみゃくは)」といわれる効果的な検査があります。足や手の指先に装着したセンサーで赤外線を照射し、血液量の変化を電気的に検出するものです。血行障害をはじめ、血管の狭窄や閉塞、動脈硬化の程度がわかります。ほかに、「CAVI(キャビィ)検査」というのもあります。両腕と両足首にカフを装着し、血液が流れるときの血圧の変化を見て、血液を送り出すポンプ機能が十分に働いているか、心臓から足首までの動脈硬化の程度を測定します。

また、「ABI(エービーアイ)」という検査も行われています。「足関節上腕血圧比検査」とも呼ばれ、足首と上腕の血圧を比較して、足の動脈の狭窄や閉塞を調べることができます。これら3つの検査は動脈の状態を評価する検査で、静脈の状態を判断する場合は実際に診察を受けましょう。静脈瘤があるかどうかは視診、触診、エコー検査でわかります。