剣豪としての強さを

今回いただいた堀部安兵衛役は赤穂浪士の四十七士のなかで、敵にまっさきに突っ込んでいくような剣豪です。年齢も自分より上の役なので、稽古のなかで自分がどこまで安兵衛役を突き詰められるのか。挑戦するような、わくわくする気持ちが強くあります。

時代劇が好きですし、父から習ってきた剣を俳優という仕事で生かせる。自分なりの殺陣や動き、人物像を打ち出していきたいと思っています。

藤岡真威人さん
藤岡真威人さん

安兵衛は、登場人物のなかでアクションシーンが最も多くて。討入りに行く有名な場面だけではありません。安兵衛個人として因縁の敵がいて、一騎打ちのシーンもある。剣豪なので、舞台上で大勢が戦う時には目立たないといけない。「あいつは強いぞ」と思わせるような存在感が必要です。

みんなと同じように刀を振ってしまったら、剣豪としての強さを表現できない。抜刀でも納刀でもいいので、安兵衛らしさを見つけていきたいと思っています。

幸いなことに家には道場がありますし、父の木刀や模擬刀などの練習道具が揃っています。刀を扱うことを身近にしたいので、隙間時間に抜刀の練習をしたり、全体稽古の後も素振りをしたりしています。