藤岡真威人さん
藤岡真威人さん
俳優、藤岡弘、さんの長男、真威人さん(21)が今冬、舞台『忠臣蔵』で赤穂浪士の一人で剣豪・堀部安兵衛を演じる。舞台での本格時代劇初挑戦となるが、殺陣など見せ場の多い役。アクション俳優を目指して芸能界に飛び込んだ真威人さんにとってはターニングポイントになりそうな作品だ。作品への思いと役作りについて真威人さんに聞いた。(取材・文:婦人公論.jp 油原聡子 撮影:福岡諒祠)

挑戦する気持ちで

江戸時代の元禄期に実際にあった仇討ちをモデルにした『忠臣蔵』は、いろいろな形で映像化や舞台化されてきた作品です。歴史的題材に出演できるうれしさと同時に、「僕に務まるだろうか」という不安と緊張がありました。

現代とは違い、生と死が隣り合わせの時代に忠義のために命がけで戦った人たちの物語。当時の生きざまが如実に表れている題材なので、『忠臣蔵』を通して現代の人に何を感じてもらえるか、考えながらお芝居をしていきたいです。

映像でのアクションや本格時代劇の経験はありますが、舞台での本格時代劇は『忠臣蔵』が初めて。先に殺陣の稽古が始まっているのですが、映像作品とのちょっとした違いを学ぶのが楽しいです。

映像と舞台の殺陣では相手との距離感や動きが全く違うんです。どちらかというと映像のほうがちゃんと斬り合いますが、舞台の場合、実際は剣が重なっていなくても、客席から見たときに斬り合っているように見えなければなりません。

舞台は限られた場所で周りに出演者がたくさんいる状況で演技をしますし、けがのリスクも高いと感じています。