俳優の室井滋さん(左)と学者の養老孟司さん(右)(撮影:清水朝子)
〈2/22は猫の日。発売中の『婦人公論』3月号から記事を先出し!〉
ご自身の生きるうえでの「ものさし」だったという愛猫のまるを、2020年に見送った養老孟司さん。一方、野良から迎えた6匹の猫を育て、それぞれの生涯を見届けた室井滋さんは、「面倒を見てもらったのは自分だった」と語ります。猫が人間に教えてくれることは少なくないようです。かけがえのない存在の老いや看取りを経験したお二人が語り合います(構成:篠藤ゆり 撮影:清水朝子)

亡くなってもそばにいる気がする

室井 まるちゃんが天国に旅立って5年だそうですね。今でも、まるちゃんの夢とか、ご覧になることはあります?

養老 夢は見たことないかなぁ。でも、なんか近くにいそうな感じがするんです。

室井 あぁ、気配が……。

養老 今も、その窓のそばにいるみたいですよ。ドーンと座って、手を前に出して。

室井 ご著書やテレビ、ナレーションを担当したDVDであの座り方はよく拝見しました。まるちゃんは超有名猫だから、いまだに皆さん、話をなさるでしょう?

養老 そうですね。今でも「まるの飼い主」とか言われることがあります。(笑)

室井 私は野良猫だった6匹を保護して、順番に見送りましたが、やっぱり今も近くにいる気がします。だから出かける時は「チビ、行ってくるね」とか「タマ、今日は遅くなるから」とか話しかけるんです。

養老 そういうもんですよ。僕も、まるが死んだとは思っていません。