ファンタジーで飯を食っている
古内 ちょっと伺いたいんですけど、ゲイであることとドラァグクイーンであることは違うのでしょうか?
ドリアン ゲイはアタシのセクシャリティで、ドラァグクイーンは生業です。ドラァグクイーンというのはパフォーマンスをする際のスタイルの1つなので、ゲイであることとはそもそもレイヤーが違うんですよね。
古内 なるほど。
ドリアン アタシの場合、歌い手としてみなさまの前で歌うことのほうが実は優先度が高いので、歌えるのならばどんないでたちでもよかったりするんですよ。もちろん、楽しいしカッコいいからドラァグクイーンをやっているので、歌うためにやっているわけではないんですけれどね。ドラァグクイーンをやっていることで新しい扉がいくつも開けてきたので、それは本当にありがたいと思っています。
古内 ファンタジーの一面のおかげですね。
ドリアン そう、みなさまのファンタジーで飯を食っているようなものですよ。(笑)
古内 ご本名の大竹正輝さんとドリアンさんは、どんな関係なのでしょう?
ドリアン アタシの中には「ドリアン」という人格はいないんです。これは人によって様々で、ドラァグクイーンとしての人格が別に存在する方もいれば、2つの人格が地続きの方もいる。アタシの場合は常に大竹正輝で、大竹正輝がドラァグクイーンをやっているという感覚です。
古内 大竹さんがドリアンさんのマネージャーさんをやっているのかなと思いましたが……。
ドリアン そうじゃないですね。大竹正輝は子どもの頃からでしゃばりなので(笑)、裏方にだけ甘んじることはありません。大竹正輝が自分をどうプロデュースしていくか、どうありたいかを考えた結果、ドリアンという姿に行きついたのだと思います。