的確な判断が難しい状況で
こういう状況の中で、自分もしくは家族のいのちや人生の最終段階におけるまともな意思決定、みなさんならできるでしょうか。ただでさえ、不確実な状況の中での判断経験がないのに、そこに情緒の不安定さが加わりますからね。
大きな自然災害が起こったとき、「自分は的確な判断ができた」と思える人は、どれくらいいるのでしょうか。
多くの人が不確実な状況の中に留まっていることを苦手としていますから、何とか次の行動を起こそうとします。妻が分娩中に廊下をうろうろしている夫を思い浮かべていただくと話が早いですね。
うろうろしたからといって、分娩が早く安全に終了するかといえば違います。自分の価値観や思想に基づくものではなく、社会通念的に正しいとされていること、多数派だとされていることを選んでしまいがち。
それが、臨床の場合だと「できることは全部やってください」「(プロである)先生におまかせします」という患者家族の言葉にあらわれるんです。そこに患者さん個人の意思や思想、理念は乏しいと言わざるを得ないのではないでしょうか。
※本稿は、『人生の終わり方を考えよう 現役看護師が伝える老いと死のプロセス』(高島亜沙美:著/KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
『人生の終わり方を考えよう 現役看護師が伝える老いと死のプロセス』(高島亜沙美:著/KADOKAWA)
死を見つめることは、生を考えること。老いや死にも、準備と努力が必要です。
老いのプロセス、介護保険の仕組みと実情、終末期医療と緩和ケア、死の事前準備と終活、自分らしい最期を迎えるためのポイントなど、現役看護師だからこそ伝えられる、自分らしい最期の迎え方。





