人の対話スタイルには2つの回路が存在する

竹内それは、どのような転機だったのでしょうか。

黒川初の対話システム開発ということもあって、お手本となるものがありませんでした。そこで、世界中の〝会話〟を分析してみたのです。その結果、人間の対話には大きく2つのスタイルがあることを発見しました。1つは、感情をきっかけに、自分の記憶を辿りながら「納得」を目的とする対話方式。もう1つが、問題点に焦点を当て、「解決」を目的とする対話方式です。基本的に、これらは互いに相容れません。

竹内確かに、正反対のスタイルに思えます。

黒川脳の回路を調べたところ、前者は、主に右脳と左脳の横方向の連携信号を強く使う〝ヨコ型〟。後者は、脳の縦方向に流れる信号を強く使う〝タテ型〟であることもわかりました。人はこの2種類の対話方式から瞬時に選択して話すのですが、女性はヨコ型、男性はタテ型が多いという傾向があります。女性は「そういえば」、男性は「要するに」で会話を進めていきがちだということですね。

竹内身に覚えがあります。(笑)

黒川ただし、「女性は必ずヨコ型で、男性はタテ型」というものではありません。というのも、たとえば管理職に就いた女性は、タテ型回路が一気に活性化します。年齢や置かれた環境、立場によって、脳は柔軟に切り替わるわけです。こうした脳の特性を、さまざまな対人関係に応用した著書「トリセツ」シリーズは、多くの方に楽しんでいただけています。