AI時代を支えるエネルギー

エネルギー安全保障の観点からも自給率を高めていく必要があります

竹内かつてはスーパーコンピュータの開発などで世界をリードした日本ですが、バブル崩壊後の「失われた30年」もあり、デジタル競争力ランキングでも下位に甘んじています。盛り返すための要は、間違いなくAIになるでしょうね。

黒川今や、経済成長とAIは切っても切り離せません。現状では、ほかの先進国などに比べて開発や活用は遅れています。ただ、AIがますます普及し、「人に寄り添う」ということが求められるようになったら、日本の活躍の場は確実に広がると思うんですよ。たとえば、日本のテキストだけを学習させた「和製AI」ができたら、引っ張りだこになるのではないでしょうか。「この案件、日本人に考えさせてみようか」とか。(笑)

竹内日本のものづくりやサービスに対する海外からの評価は高いですしね。

黒川ただし、AIはすごく電気を使うもの。〝AI敗者〟とならないためにも、喫緊の課題は電力の確保です。そこもきちんと考えておかないといけません。

竹内そうですね。AIの普及に伴って、大量に電気を消費するデータセンターの稼働が増えるため、日本全体の電力需要は今後大きく伸びることが予想されています。

黒川でも、日本は発電に必要なエネルギー資源に乏しい国でもある……。

竹内そのとおりです。日本はエネルギー資源の8割以上を輸入に依存しているのが現実で、エネルギー安全保障の観点からも自給率を高めていく必要があります。同時に、地球温暖化対策として、電源の脱炭素化も進めていかなくてはなりません。そうした課題に対応するためには、発電時にCO2を排出しない再生可能エネルギーや原子力発電のほか、安定供給に欠かせない火力発電などを組み合わせて、バランスの取れた電源構成を目指すことが大切になるわけです。

黒川いわゆる「エネルギーミックス」は、リスク分散だと思っています。各発電方法にはそれぞれ特徴があるので、一番合理性があるバランスを、みんなで考えていくことが大切ですね。

竹内最後に、黒川さんが、これから書いてみたいテーマはなんですか?

黒川小脳の活性化には、「たわいもない話」をするのがいいエクササイズになるのです。その話をまとめてみようかと思っています。

竹内それは楽しみです。本日はどうもありがとうございました。

黒川 伊保子(くろかわ・いほこ)

1959年長野県生まれ。83年、奈良女子大学理学部物理学科卒業後、富士通ソーシアルサイエンスラボラトリに入社し、人工知能研究開発に従事。2003年、「感性リサーチ」を設立。『対話のトリセツ ハイブリッド・コミュニケーションのすすめ』など著書多数

竹内 薫(たけうち・かおる)

1960年東京都生まれ。「科学応援団」としてテレビ、ラジオ、講演などで活躍。2016年、トライリンガル教育を行うYESインターナショナルスクールを開校。25年4月よりZEN大学の教授を務める。『AI時代を生き抜くための仮説脳』など著書多数

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