その後、弟一家は収録風景をスタジオの端に並んで見学した。暗がりにその姿が見える。

「はい、以上です!」

収録が終わった。ライトの当たっていた場所から移動して、スタッフの皆様に「お疲れ様でしたー」と声をかけながらスタジオを出ようとすると、飯尾さんがご親切に弟一家に手招きをして、セットの前で記念撮影にも応じてくださった。

「ちゃんとお礼を言いなさい!」と、伯母である私はまた口出しをしつつ、ペコペコ頭を下げ、弟一家もペコペコ頭を下げながら、ようやくスタジオを出る。

弟が私にさりげなく近づいてきて、

「番組って、こんな感じでつくってるのか。姉ちゃん、台本も見ずにトークできるんだね。さすがプロだね」

なんぞと褒めてくれるのはありがたいけれど、どこか照れくさい。居心地が悪い。この感覚はなんだろう。

弟一家が帰ったあと、飯尾さんに向かって、

「本当にありがとうございました」

「いや、ぜーんぜん」

飯尾さんが朗らかに手を横に振りながら応じてくださる。プロデューサーを始め皆さんが「いいご家族ですねえ。甥御さん、面白い!」などと言ってくださるのに対し、伯母は「まったく礼儀がなってなくて」などと否定しつつペコペコを繰り返しながら自分の楽屋へ戻ったら、どっと疲れが噴き出した。