甘えん坊に磨きがかかって

そういえば、祖母は人前では「一人でも平気な強い女」であるように振る舞っていたが、家ではわがままを言ってみては相手の出方を見るような、そういうコミュニケーションの取り方をするところがあった。

102歳を迎えた祖母はよりいっそう甘えん坊に磨きがかかっている。

Cさんは祖母にセーターのプレゼントを用意していた。とても手触りがよく、色も落ち着いていて良いセーターだった。祖母はいたく気に入ったようで、簞笥にしまおうとするとそばに置いておいてくれと頼むほどだった。

昔の祖母は人から貰ったものでもいちいち論評しては文句をつけていたものである。

スタッフさんに甘え、ケーキを2つも平らげ、プレゼントに素直に喜ぶ祖母は、まさしく魔法が解け毒気が抜けた荒地の魔女のようだった。

 

【関連記事】
孫が綴る佐藤愛子さん102歳の姿「自宅にいた頃は、生前整理という名の断捨離をしまくっていた祖母。それでも困ったことに、自分の誕生日には…」【漫画】
孫が綴る佐藤愛子さん101歳の姿「祖母の最後の願いを叶えてあげられなかったと嘆く母。活火山のような祖母と母一人子一人で生きてきて」【漫画】
孫が綴る佐藤愛子さん101歳の姿「緊急搬送された祖母は、母に手を握ってくれと差し出した。人間は強くなきゃダメだと常々言っていた祖母だけど」【漫画】
気がつけば、終着駅
気がつけば、終着駅
作者:佐藤愛子
出版社:中央公論新社
発売日:2024/6/19
amazon 楽天ブックス honto 紀伊國屋書店 7net
百一歳。終着駅のその先へ
百一歳。終着駅のその先へ
作者:佐藤愛子
出版社:中央公論新社
発売日:2025/3/7
amazon 楽天ブックス honto 紀伊國屋書店 7net