母と祖母に支えられ、家族のみんなにも感謝して

そんな僕をこれまで支えてきてくれた家族と事務所の方には、本当に感謝しています。「学校にはちゃんと行きたい」と事務所に無理を言って、放課後や土日に集中してスケジュールを入れてもらっていたおかげで、毎日登校することができました。

家族の中では、やっぱり母に一番感謝しています。撮影で早退するときは、母が車で学校まで迎えにきてくれて、車の中でランドセルと仕事の荷物を交換し、現場まで送ってもらったり。2歳下に妹、6歳下に弟もいるので、本当に大変だったと思います。

母が僕に付き添わなければいけないときは、祖母がうちに来て留守番をしてくれていたので、妹や弟にもきっと寂しい思いをさせたかもしれない。反対に、地方公演で僕が何日も家を離れなきゃいけないときは、祖母が一緒に泊まってくれて、舞台の袖まで付き添ってくれた。おかげで、僕が舞台で共演した方からは、「おばあちゃん、元気?」っていまだに言われたりしています。

ロンドンから帰って来てからは、実家で家族と一緒に暮らしています。休みの日にはきょうだい3人でゲームをしたり、弟の憲史郎がオーディションを受けるときは練習相手をすることも。弟の舞台を僕が観に行くと、緊張して怖がるんですよ。「ダメ出しはしないで。ヘコんじゃうから」って(笑)。弟は弟で好きにやればいいと思っているので、先輩風を吹かせてアドバイスするつもりなんて、ぜんぜんないんですけどね。

これから目指しているのは、「なんでもできる役者」です。舞台でも映像でも、どんなジャンルの役でもその役柄をきちんとつかんで芝居ができる役者になりたい。憧れている先輩は堤真一さん。堤さんのように、凄みのある任侠作品にも出れば、いいお父さんやコミカルな役も似合うような役者です。

「え、今度はこんな役をやるのか」と、毎回、みなさんに新鮮に感じてもらえるような役者になりたい。これからも、「楽しいから全力で頑張る」気持ちを大切に、ひとつひとつの作品としっかり向き合っていきたいと思います。