地道な仕事を嫌う

ある管理職は、明らかに実力不足なのに、企画とかクリエイティブな仕事をやりたがる部下がいて困っているという。地道な仕事を嫌い、

「そんな仕事はだれでもできるじゃないですか。自分じゃないとできない仕事がしたいんです」

『すぐに「できません」と言う人たち』(著:榎本博明/PHP研究所)

と言って、ルーティン的な仕事はやりたがらないし、クリエイティブなプロジェクトなどがあるとすぐに立候補するのだが、明らかに実力不足で、任せることなどできないのに、本人はわかっていないから困るのだという。

「最近は、すぐに傷ついたとか、パワハラだとか言うじゃないですか。だから、『君はまだ実力不足だ』とか『実績もないのに、何か勘違いしてないか。立候補するなら、それなりの実績を積んでからにするように』なんて言いにくいじゃないですか。だから勘違いしたまま、そこから脱せないんですよ。そのことに気づかず成長できない本人も可哀想なんですけどね」

というように、嘆きつつも同情心さえ示す。

過保護な日本社会が最近はますます過保護になり、たとえ実力不足だったり実績が足りなかったりしても、それを直接指摘しにくい空気があるため、本人がなかなか自覚できないまま成長の機会を逃すことが多くなっている。