100時間の対話で知る「愛の源泉」

渡米した川嶋監督は、自らインタビュアーを務め、10日の間、毎日10時間、計100時間にわたり、桂子さんの話を聞き続けました。最初に浮かんだ疑問「あれだけ憎んでいた敵国の軍人となぜ結婚をしたのか?」を問い続けることを大切にしていたと言います。

「伯母が生まれた1930年から今まで続く女性の人生の話に魅了されていました。例えるなら『朝ドラ』を見ているような感覚で、そのままずっと聞いていました」と振り返ります。

フランクさんを敵国の兵士として見るのではなく、人と人として向き合い、愛した桂子さん。その愛にあふれた人生の原点は女学校時代にあったと感じました。

「伯母の通っていた横浜紅蘭女学校(現・横浜雙葉学園)では、当時は外国人のシスターがいました。多感な10代に『人と人を愛するのに国籍も人種も関係ない』という理念を学んでいました。彼女の根底には、戦争をも超える強固な愛の教育があったのです」

桂子さんに寄り添う奈緒さん 『War Bride2 奈緒と4人の戦争花嫁』(c)TBS

桂子さんは戦後、社会活動に従事してきました。「ライマ市と兵庫県・播磨町の姉妹都市活動になぜ携わっているのか」と尋ねると、「お互い学生さんたちの交換留学をする。そうすると学生たちとそのファミリーが想い合い、優しく接する。その両国が戦争をするはずがないじゃない」と語ったそうです。

川嶋監督は取材を通じ、「『自分を大切に、愛する人を信じる』ということが重要」だと感じたのです。