きょうだいでも片づけのゴールは違う

そこで最後の日々を過ごした後、母は2015年6月に亡くなりました。

私のもとには、今でも大阪の姉から「こんなのいる?」というLINEが届きます。添付されている画像は、母の遺品。母が亡くなってから姉一家は一軒家に引っ越したのですが、ひと部屋が丸々、引き払った母のマンションから持ち込んだ家具と遺品で埋まっているのです。

これは、私だったらちょっと耐えられないかもしれない。母はもういないのに母の部屋がある、みたいな状況ですから。姉は時間のある時そこに分け入って、私が使えそうな洋服や雑貨を発見すると連絡してくる。いつまでも終わらない形見分けですね。(笑)

そうそう、ついこの間も自宅に送られてきました。蛇腹折りにした革をそのままふたつに折り畳んで縫いつけたような、なんともユニークなブランドバッグが。手に取ってみると、内側も蛇腹なので手触りが悪く、ものもろくに入らない珍奇なシロモノ。「どうしてこんなの買ったのかなあ」と、姉とふたりで大笑いしました。

実家の片づけを3日で強引に進めた私と、時にはおそらくうっすら涙ぐみながらゆっくり仕分けている姉。きょうだいでもタイプによって、片づけのゴールが違ってくるんですよね。それぞれのタイプに合ったやり方で、私たちはあの時にできるなかでのベストを尽くしたんだなって、今は思います。

そういうわけで、私の中では実家の片づけはきれいさっぱり終わりました。夫は、私がうっすら後悔していることもよくわかっていて、自分の両親にはできるだけ口出ししないように気をつけているみたいです。ただ、「これからは大きな家具は買わないようにして」とだけ伝えているとか。(笑)