自分への劣等感が刺激され
――亀吉の人物像をどのように感じていらっしゃいますか?
脚本を読んで、時代的に亀吉のような人間がいることは想像できますし、役として演じるのはおもしろいと思ったのですが、僕個人としては「この人あまり好きじゃないな」という印象でした……。
まずは当時のことを調べながら時代背景などを理解し、自分の中に落とし込んでいくことから始めました。
亀吉は飛脚から一代で運送業を成功させた人なので、ビジネスのセンスがある人だと思います。苦労もしたと思いますし、ここまでの道のりでは妬まれたり周りから妨害されたりしたかもしれません。
「奥田屋」を成功させるために元家老の娘・りんを妻に迎えるわけですが、いざ結婚してみると身分がない自分への劣等感が刺激され、それが被害妄想に近いものになってしまっている人ではないかと思います。
まっすぐな性格だとは思うので、前妻との息子と同じ歳であるりんと複雑な思いで向き合っているのかなと想像しています。
主人公のりんが新しい道へ向かっていくためのターニングポイントとして、その時代の結婚観や男女の関係性を象徴する役割を演じ切りたいので、見ている人には「亀吉をぜひ嫌いになってほしいな」という気持ちで演じています。