長丸の一言で家康が覚醒

しかし、穏やかな親子の時間の裏で、家康には苦い記憶がよみがえります。

幼いころから人質としてたらい回しにされ、戦国の世に翻弄されてきた家康。さらに、信長の命令によって妻・築山殿と長男・信康を失った過去もあります。

そんな家康に秀吉は茶会で、「我らの絆を強めるため」と、子どもを養子に出すよう求めます。家康は苦悩しながらも、「子は差し出しまする」と、いったん受け入れるのでした。

長丸の姿を眺めながら、家康は「長丸。話がある。実は、そなたを……」と涙を浮かべます。すると長丸が差し出したのは毒草。

「これで父上を泣かせた敵を殺してくだされ」

家康が「わしは泣いてなどおらぬ」と返すと、「お顔を見れば分かりまする」と長丸。さらに「もっと探してまいります」と父を思いやります。

その姿に家康は、「もう、誰にも従わぬ。あとは、この父がやる」と決意するのでした。