タカラトミーアーツの「ビールアワー 極泡スマート」。超音波の振動を利用して、ふつうに注いだときにはできない、きめ細かな泡を作り出す(写真提供:タカラトミーアーツ)
専門家が独自の目線で選ぶ「時代を表すキーワード」。今回は、マーケティングライターの牛窪恵さんが、「家飲みビールサーバー」について解説します。

「極」も「神」も! きめ細かな泡に感動

冷えたビールがおいしい季節。本来はビアガーデンにでも繰り出したいが、今年は「おうちで」という方も多いだろう。

もっとも最近は、「家飲み」でも本格的なビールが味わえる、比較的廉価なビールサーバーが続々と登場して話題を呼んでいる。

たとえば、タカラトミーアーツが販売する、ハンディタイプの「ビールアワー 極泡スマート」(税抜3480円)。本体を缶にセット、ボタンを押しながら注ぐだけで、内蔵の超音波発生ユニットがクリーミーな「極泡」を作り出す。

同社が「味香り戦略研究所」の協力で、この泡を一般的な(缶からそのまま注いだ)泡と比較したところ、味覚センサーによる後味の旨みの余韻が6割以上もアップしていたとか。

ビールメーカー各社も負けてはいない。同じく「泡」にフォーカスしたサントリーは、こだわりの素材や製法、注ぎ方によって生まれるプレモル(ザ・プレミアム・モルツ)の泡を、「神泡。」と命名。電動式の神泡サーバーをプレモル購入者に無料でプレゼントすることで、ビールの売上自体の底上げを狙っている。

キリンビールが展開する「キリンホームタップ」は、工場から月2回届く作り立てのビールが、専用ビールサーバー(A4サイズほどの大きさ)で味わえるサービス。サーバーレンタルと1リットルのビール(4本/月)代の合計8250円~(税込、月額/基本料込み)を毎月支払う、いわゆるサブスクリプション(定期購買)方式だ。香り高い泡立ちはもちろん、鮮度の高いビールが味わえる点も魅力だろう。

私は横着な性格なので、使用後に洗浄が不要な超音波タイプ(サントリー)を試してみた。驚くほどきめ細かな泡がグラスを彩り、まさにプロの味わいで感動した。ただ、つい飲みすぎるのでご用心!