躓いたときは、相手のせいにしない
そこからはトライ&エラーの繰り返しでしたね。やりたいのは、「自分の目の前にいる人に元気を与えること」。この点にブレはなかったけれど、どんな言葉なら元気が出るのか、どうすれば伝わりやすいのかなどは全然わからない。
先輩芸人からのアドバイスを試したりもしましたが、自分でも無理しているのがわかるし、お客さんに響かなかった。前田はそんな僕をじっと見守っていましたが、あるとき、「もういいから、自分がやりたいようにやれ。お前、そんなじゃないだろ」と言ってくれて。
前田は僕と違って、もともとポジティブなんです。僕が何をやっても「それ、いいじゃない」。「失敗だったね」と言うと「やってみてよかったじゃん」って。前田みたいに前向きに考えるほうが、次への一歩が早かったり、反省を活かしたりできるんだと実感していました。それもあって、今は前向きであることの良さを、自信を持って発信することができるんです。
オレンジ色の衣装も、試行錯誤から生まれたもの。衣装から元気を与えられないかと2人で調べていたら、オレンジ色には見るだけで元気になる効果があるとわかって。それで実際に衣装を変えたら、お客さんやスタッフさんから「元気がもらえる色ですね」と言っていただけるようになりました。
うまくいかないことはたくさんありますが、トライそのものは成長だしプラスになる。何かに躓(つまづ)いたとき、それを環境や相手のせいにするのは簡単ですが、そこには成長がありません。それに、環境や相手を変えることは難しいですよね。自分を変えて成長するのが、一番効率がいいと思うのです。