「いつも元気な人なので、さすがにこのときばかりは私も驚き、東京に行こうかとたずねると、絶対に来るなと。慌てて健康食品を送りました」

5年ほどは、マラソンがストレス解消法に

離れて暮らす夫婦の間合いのようなものが取れているからこそ、淡々としていられるのだろうか。それでも夫が初めて単身赴任をした25年前は、子どももまだ小さく、ここで自分が倒れてしまったらどうなるのかと、峰岸さんはストレスからくる不安に駆られた。夜寝付けずに一晩中、一心不乱にパッチワークをして気を紛らわせたこともある。

ここ5年ほどは、マラソンがストレス解消法になった、と話す。フルマラソンで4時間を切ったことも。

「走っていると本当に楽しく、嫌なことを忘れられるんです。でも走るイベントに出場する予定の週末に、突然夫が帰ってくることがあって。何ヵ月も前からエントリーしていたのに、かち合った時は、『どうしよう』と思いますね。本当に頭を悩ませます」

ひとり暮らしに慣れている夫とは別行動。割り切ることでストレスを感じないで暮らせるのかもしれない。


【ルポ】『会えない』ゆえにわだかまりが生じて
【1】「町内で感染者が出ていないから、絶対に帰って来るな」と言われ…
【2】リモート授業で上京できない息子。東京の家賃を払い続ける親
【3】発熱も事後報告。単身赴任の夫に1年で3度しか会えていない
【4】施設の母との面会はたった5分。共同作業にイライラ