神様は清らかな場所に宿ります。家も例外ではありません。一年を幸せに過ごせるよう、神様が喜ぶ家に整えましょう。長い歴史をもつ東京・神田明神の神職にお話を聞きました(構成=島田ゆかり イラスト=山口哲司 )

日常を整えることが 神様を大切にすること

神道の教えに「浄明正直(じょうみょうせいちょく)」という言葉があります。浄く明るく、正しく直く(素直に)生きましょう、というものです。なかでも「浄(きよ)く」とは清らかで穢(けが)れのないことを指し、場を清め、整えることの大切さを教えています。

私たち神職の最も大切な仕事をご存じでしょうか。それは「掃除」です。神様のお住まいである神社を常に清め、整えることが私たちの使命。神職は、毎日欠かさず神社を掃除しています。

神様は穢れを好みません。これは、皆さんの家も同じこと。穢れは汚れと同じと考えますが、暮らしを見守ってくださる神様は、汚れた家からは徐々に離れていく。愛想をつかされてしまうわけです。

本来なら見守っていただけるはずが、掃除を怠ることで自ら神様を遠ざけることになりかねません。

しかし、これは人間も同じではないでしょうか。ホコリまみれで散らかった不浄な場所に人は集まりません。自身が心地よくないと感じたら、神様も同様に感じているということです。

部屋の中にも、それぞれ守り神が宿っています。ここから、各部屋の神様のご紹介と、掃除のポイントを解説しましょう。

家に住む神様たち