あなたが発達障害の場合「特性についてよく理解する」
診察を受けて自分が発達障害だとわかったら、まず自分の特性についてよく理解することです。自分の歩いてきた道を「発達障害」というフィルターを通して捉え直してみましょう。「今思えば……」ということがいくつも思い浮かぶはず。人によっては、長い間人知れず苦労してきた原因がわかり、納得がいくようです。そこからいろいろな対策の立て方が見えてきます。
ASDの人は、基本的に「学べばできる」のです。職場ではうまくやっているという人は、無意識のうちに「褒められたことをする/られたことはやめる」という鉄則を自分に叩き込んで、どうにかうまくやりすごしてきたのでしょう。パートナーがなぜ怒るのかわからない、と思っているなら、この鉄則を家庭でも実践してみてください。どうも自分は家庭では感謝されない、味方についてもらえないと思っているなら、自分から変わっていかなくてはならないのです。
ADHDの人によく見られるのが、持ち物や資料などを片づけられない、という身辺整理の問題。これに対しては治療薬が効果を発揮する人が多いです。また、まず試してほしいのが「ビッグボックス」方式。出勤の際に必要な物を一式、ひとつの箱に投げ込んでおく。朝はそこからすべて引っ張り出せばいい。細分化して整理することを諦めて、大きなカテゴリーで管理する発想です。
またADHDには時間の管理や先の見通しを立てるのが苦手、という人も多い。朝起きて身支度をして出かけるまでの日常生活の基本動作は、できるだけ同じ手順で、同じ時間帯に行うといいでしょう。動作をパターン化して体で覚えると、時間配分を間違って慌てたり、遅刻したりすることが少なくなっていきます。