片づけられない、あるいは極端に落ち着きのない夫がADHDだとわかった場合、妻はある意味、「夫に期待しないでいい」ことになります。どんなに口を酸っぱくして整理整頓や時間を守ることを頼んでも、夫の努力だけではどうにもなりません。まず夫が医療機関に通えるように導いてください。日常生活では、たとえば「頼みごとは一度にひとつを簡潔に伝える」「大事なことは書き出して示す」などの工夫をしましょう。
時間の管理や仕事に必要な物の管理は、前項の自分がADHDだとわかった場合を参考にしてください。
子どもが発達障害の場合「受け止め、共感する」
高校や大学を出て、すでに大人になったわが子が発達障害だとわかったら、両親は何よりもまず、その事実を受け止めてほしいと思います。子どもはすでに学校や職場でトラブルを起こし、いじめや叱責の対象になっているかもしれません。
時に過干渉になりがちですが、子どもの気持ちをしっかりと受け止め、共感することが大事です。また、子どもの障害を否定したり無視したりするのではなく、見守ってください。親自身にASD傾向がある場合は、家族に関心を持ち、家族は変わるものだと考えるように意識してください。子どもに「自分を見守る親のイメージ」を根づかせることが大切です。
子どもにとって家庭は安心で安全な場であり、家族は安らぎをもたらす存在であるべきです。ただし、子どもが引きこもり状態にあるなら、腫れ物に触るように接したり、スマホやテレビ、クレジットカードなど、何でも与えて過度に快適な環境を作ってはいけません。