「『よゐこだからしょうがない』っていう感じがどこかにあるのよ。これ、なんでだろう。」(清水さん)

有野 でしょう?(笑)

濱口 視線を一斉に浴びるのも僕やし、コンコンってノックする手が痛いのも僕やし。清水さんが言うみたいに、「これがよゐこ」って感じになってるのもイヤ。

有野 「代われよ」とか「声出せ」とか、ときどき言われました。

濱口 若手のころも、劇場で兄さんのひとりに、「お前の相方、どないなってんねん」って言われたことがあるんです。「有野が挨拶せえへんかったから、俺言うたんや、『挨拶せえ』って。そんならあいつ、『挨拶は口ではしてませんけど、心でしてました』」って。

有野 先輩笑うと思ったんですけどね。「そうか」って返ってきたとき、「ヤバいな」と気づきました。

清水 でも、「よゐこだからしょうがない」っていう感じがどこかにあるのよ。これ、なんでだろう。

有野 それは、よく言われます。まだ養成所生だったころ、山田雅人さんが劇場に出てはって。まあめったにないことだったんです。同じ舞台にも立てて、みんなでお昼を食べに行くことになって。山田さんが名前も知らん僕らに「自分らも行くか」って誘ってくれはったんですけど僕、「あ、お腹いっぱいやからいいっす」って。(笑)

清水 うわあ。

有野 「あ、そうか」って山田さんは行きはったんですけど、ほかの先輩がすぐ戻ってきて、「お前ら、マジか」。(笑)

濱口 「お腹いっぱいでも、こういうときは来なあかんねんで。今日はええけど、今度はきいや」って、優しく説明してくれました。