「バーバラはうす」は、ハムなどを扱う「ZiZi工房」の隣にある

じじもばばも、楽しく働こう

現在は夫と実母の3人暮らし。87歳の母は元気で、夕食の準備などもしてくれる。

「この先訪れる母の介護や、自分の体力が続くかという心配もありますが、足腰が立つうちは、接客の仕事をずっと続けたいです」

昨今、各自治体は高齢者就労に向けてさまざまな取り組みを行っている。三木さんが働くバーバラはうすは、その例のひとつだ。バーバラはうすが入っている複合施設「百年草」は、足助町が「生涯現役の町づくり」を掲げ、1990年にオープンしたもの。名前には、「山野草のごとく元気で100歳まで生きよう」という思いが込められている。

百年草がユニークなのは、あらゆる世代の人が集える場所を目指して、福祉と観光を一体化させている点だ。オープン当初は高齢者のためのデイサービス施設と、日帰り入浴施設、フレンチレストラン、ハムやウインナーを製造する「ZiZi工房」からスタート。約2年後にはホテルを開業し、95年にはバーバラはうすがオープンした。現在は地元の民間企業によって運営されているという。

ZiZi工房とバーバラはうすは、「じじもばばも、楽しく働こう」という意味を込めたネーミングで、定年は75歳。定年を超えても意欲があり、体がついていくのなら、働き続けることが可能だ。飲食業や販売業の経験は問われず、いくつになっても新しいことにチャレンジしたい、という人たちが集まっている。