時給は930円。月に平均8万円の収入
河合さんが暮らしているのは、全戸で5軒しかない山の集落。草刈りや畑仕事など、やらなくてはいけないことが山ほどある。
「家の仕事と比べるのは失礼かもしれないけど、工房で働くほうが体力的に楽ですよ」と河合さん。
現在は、月に12~15日出勤で、勤務時間は朝の8時から、だいたい14時半から15時半まで。時給は930円。月に平均8万円の収入だ。
「もともと私は体も弱くて、病気がち。だから、いまだに働き続けていられること自体が《挑戦》なんです」と河合さん。
バーバラはうす工場長の高林和弘さんは、河合さんの真剣さが工房にもたらしているものは大きい、という。
「仕事が丁寧で、しかも早い。河合さんが厨房にいると、周りの人たちがピシッとします。ときどき頑張りすぎてしまうので、止めるのに苦労するくらいです」
「ばーば」たちを見ていると、自分があの年齢になった時あんなに働けるか自信がない、とも。
「人生の最後まで働くんだという熱意に頭が下がります。彼女たちには、『ここまででいい、明日やればいいや』という思いがないんです」