「私の場合、特に夏場は暑さ疲れから自律神経のバランスがくずれがちで、ともすれば空腹感すら覚えなくなってしまう。そこで意識的に食生活を整えるようになりました。」(撮影:藤澤靖子)
宝塚花組の元トップスター安奈淳さんは、舞台に立ち続け多忙な毎日を送るなかで、難病に見舞われました。闘病の果てにたどり着いた体調管理術とは?(構成=丸山あかね 撮影=藤澤靖子)

3度の食事は薬の服用のため

――芸能生活56周年を迎える安奈さん。1975年、宝塚花組のトップスターとして演じた『ベルサイユのばら』のオスカル役は、人々に大きな夢と感動を与え、社会現象になるほどの人気を博した

当時は20代後半でした。舞台はスタミナ勝負とはいえ、焼肉を4人前食べたあとにデザートもペロリと平らげてしまうほどの痩せの大食いで(笑)。夏になると食に支えられていた日々を思い出します。それはきっと、スタミナをつけなければ暑さに負けてしまうと思ったからでしょう。

おかげさまで現在は元気に過ごしていますが、74歳になった今ではすっかり食が細くなりました。私の場合、特に夏場は暑さ疲れから自律神経のバランスがくずれがちで、ともすれば空腹感すら覚えなくなってしまう。そこで意識的に食生活を整えるようになりました。1日に3食、食べる時間もほぼ定めて、つまりルーティン化を図っているのです。

長続きさせるためのコツは支度の簡素化。たとえば朝食はメニューや段取りを決めておけば、起き抜けのぼんやりした頭でも準備することができます。季節に関係なく冷蔵庫に常備しているのは、サラダ用のベビーリーフ、レタス、トマト、シソといった野菜類。

朝は7時に起床して青汁を飲み、野菜ミックスにワカメと胡麻を加えたサラダを作ります。それからトースト、生ハムか卵料理を少し。ヨーグルトは毎日欠かさずに。最後は豆乳ティーを夏でもホットで、内臓が温まるのを感じながら、ゆっくりといただくのが日課です。