彼女からの唖然とする言葉

私は彼女に、「夫や子供のことで手一杯だから、今来ても何もしてさしあげられない。もうすこし落ち着いた頃に」と断りの手紙を送った。しかしAの返事は、「別にあなたと一緒に観光したいわけではない。あなた方は普通に暮らせばよくて、私は日中、京都などに出かけ、夕方お宅に戻り、食事と風呂を借りるのみだから、どうぞご心配なく」と自分勝手きわまりない。

部屋がいくつもある豪邸ならいざ知らず、一介のサラリーマン家庭だ。夜遅くまで勉強している学生もいるのに、親しくしていたとはいえ赤の他人に何週間も逗留されては困る。そんなことくらい、なぜわからないのだろう。

何度も電話で頼まれては子供の受験などを理由に断っているうちに、彼女は何を思ったか、「そんな子、この世に生まれてこなければよかったのに」と言い放ったのだ。唖然とした私は即、電話を切った。

それ以来、手紙や電話がこようと無視を決めこむ。Aは唯一の共通の友人に頼んで手紙を送ってきたが、その内容は以前と同じで、私はますますあきれ果てた。